番付はいつ、誰がどんな基準で決めているの?

力士の強さ、序列を表す番付はいったい誰が、いつ、どんな基準で決めているのでしょうか?
今回は、番付の決まり方や、その内容について紹介!

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番付はいつ、誰が決めているの?

大相撲の番付は、毎場所ごとに変更が加えられ、昇進・降格が目まぐるしく入れ替わります。

その番付を決めているのが、番付編成会議と呼ばれる会議です。

番付編成会議は、本場所が終わってから3日後に開催され、審判部と副理事、行司(書記として参加・発言権はない)が参加し、次の場所の番付を決定します。

審判部と副理事は親方が務めており、彼らが主導して昇進・降格を決めていきます。

番付が決まった直後には発表せず、次の本場所が開催される2週間前の月曜日に発表されます。(スポーツ新聞が土日休刊のことが多く、注目を集める意味でも月曜日に発表されます)

本場所は2か月ごとに開催されるため、実は翌場所の番付はかなり早い段階で決まっているのです。

その間、番付編成会議に参加した親方や行司は、新番付については口外禁止で、非常に神経をとがらせるようです。

新番付が決まってから、行司が番付表を手書きで書きあげていきます。

番付に記載されている独特の文字は相撲字と呼ばれ、習得するのにも修業が必要です。

独特の相撲字で書かれた番付

出世の決め手になるのは何?

番付を決めている審判部の親方衆は、何を評価して番付を決めているのでしょうか?

明確な昇進基準は明らかにされていませんが、おおよそ下記の内容を参考に番付を決めているようです。

・前場所での勝敗(本場所のみが審査基準。巡業は参考外)
・相撲の内容(技の豊富さ、取り組みへの姿勢(真っ向勝負をすると評価が高い)

単純な勝敗だけで決まらないのは、対戦相手の質の違い・内容まで加味して総合的に力士を評価をするためです。

例えば前頭筆頭は、横綱や3役との対戦が組まれますが、幕尻は上位陣との対戦がありません。

幕内の下位は3役以上との対戦がない。

同じ「勝ち越し」でも内容が大きく変わるため、大きく番付が上がらないケースもありますし、例え負け越したとしても大きく番付が下がらない場合もあります。

さらに、勝ち方も相手と組みあわずに、立ち合いの変化など真っ向勝負と取られない戦術を利用して勝ち星を挙げ続けてもなかなか評価されず、番付が思ったほど上がらない力士もいます。(変化も立派な戦術ではありますが)

このように、数字だけでなく相撲の内容や、品格(これもあいまいな表現ですが)といった面を評価するため、元力士である親方衆が番付を決める権限があるのも自然なことなのでしょう。

番付を上げる・キープする難しさ

横綱や大関は、よほどのことがなければ、番付を下げることはありません。
(ただし、成績が悪いと引退させられる、など別の厳しさがあります)

一方で関脇以下の力士は、場所ごとに頻繁に番付が入れ替わるため「番付は生き物」といわれています。

最近では宇良や、照ノ富士のように少し前まで関取だった力士が、ケガで一気に転落し序二段や序の口まで陥落することも決して珍しい話ではありません。

特に幕下以下の力士は格段に100人以上いますから、その中から競争を勝ち抜き幕内に返り咲く(返り入幕といいます)のは並大抵の努力では成せないでしょう。

また、近しい実力の力士とのしのぎあいの中で勝ち越し続けたり、ケガをしないようにコンディションをキープするなど、番付をキープするだけでも非常に大変です。

大相撲も国技と言えどプロスポーツなのですから、生存競争は非常に厳しい世界なのです。

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