諸説ある!?相撲で力士が四股名を名乗るようになった理由とは?

力士は”四股名”という芸名のような名前をつけます。

例えば、佐渡ヶ嶽部屋は必ず四股名に「琴〇〇」とつけるなど、部屋によってお決まりのネーミングをつける部屋もあれば、式秀部屋のように変わった四股名をつける部屋があります。

一方で、輪島や遠藤、正代のように本名のままにしている力士もいるなど、四股名は力士・部屋によって様々です。

そもそも、なぜ”四股名”を名乗るようになったのでしょうか?

実は、四股名を名乗るようになった経緯については諸説あるようです。

そこで、今回は四股名を名乗るようになった経緯について3つほど紹介します。

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説①武士のプライドを守るため

室町時代に戦乱に明け暮れた時代が終わると、町には職を失った武士がゴロゴロとたむろするようになります。

そうした失業中の武士の有志がチームを作り、全国を回って相撲を取ったのが相撲興行のはじまりでした。

しかし、いくら失業中とはいえ武士にはプライドがあります。

なので、本名を名乗ることを嫌がったことと、観客に強そうなイメージを持ってもらうために、四股名を名乗るようになった、ということです。

説②力士の逞しさを表現するため

現在でこそ「四股名」と書きますが、元々は「醜名(しこな)」と書いていました。

醜と書きますが「醜い名前」という意味ではなく「四股を踏むことで地中の邪気を払う儀式を行う者」という意味で使われていました。

つまり、逞しさ・神聖さの象徴だったのですね。

また「自分は名乗るほどのものではない」という意味でも四股名を名乗ったという説もあります。

このように、逞しさと謙遜する意味で、四股名を名乗るようになったという説があります。

説③人生に区切りをつける覚悟の現れ

33代目の木村庄之助は、なぜ四股名をつけるのかということについて、自身の著書の中でこう綴っていました。

「土俵の上でいつ死んでもいいように、生前につけられる『戒名』である」

戒名とは言い過ぎな気もしますが「職業として相撲を取るために一度生まれ変わる」ということで、人生に区切りをつける意味で、覚悟を伴って四股名をつけるようになったという説があります。

四股名はいろんな思いを込めてつけるもの!

ここまで3つの説を紹介しましたが、他にも「力士らしい名前を付けることで、タニマチ(スポンサー)を獲得しやすくするため」など、様々な説があります。

しかし、いずれにしても四股名は、親方や地元の後援者や力士本人の思いを込めてつけられています。

本場所で掲げられる四股名が入った幟

これから相撲を観戦する際には、四股名を見てどんな思いでつけたのかを調べたり想像してみるのも楽しみ方の一つになるかもしれませんね。

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