VTR判定が導入された!1970年代の大相撲の出来事・事件を紹介!

大鵬一強時代が続いた60年代の大相撲ですが、70年代に入ると新たなスターが続々と誕生します!

今回は70年代の大相撲の出来事・事件を紹介します。

スポンサーリンク

1970年:北の富士・玉の海が躍進!大鵬時代の終焉へ

60年代を支配した大横綱・大鵬の一強時代が長く続き、マンネリズムが漂っていた相撲界に新たな風が吹きました。

1970年は6場所中3場所で北の富士が、2場所で玉の海が優勝し、大鵬一強時代に風穴が開きます。

その後大鵬は1971年の5月場所をもって引退。

北の富士・玉の海の両名ともに横綱に昇進し、「北玉時代」の到来が期待されました。

しかし、その後玉の海は、1971年の大鵬の引退相撲直後に虫垂炎が原因で突然死。

しばらくは北の富士・琴櫻が横綱として角界を支える日々が続きました。

1972年:輪島・貴乃花が同時に大関に昇進!

北の富士時代の到来かと思われましたが、新たなスターの種は着々と育っていました。

この年に学生相撲出身で「蔵前の星」と呼ばれた輪島が初優勝を飾り、9月場所後に大関に昇進。

また、時を同じくして、北の富士との好勝負を見せていた貴乃花も大関に昇進。

二人の新たなスターが誕生したことで、大鵬引退後の相撲界人気再興の口火を切りました。

1973年:輪島が2場所優勝し、大関から横綱に昇進

1972年5月場所に関脇で初優勝を成し遂げた輪島ですが、1973年は5月場所、9月場所、11月場所の3場所で優勝。

破竹の勢いで一気に横綱昇進を決め、北の富士・琴櫻に続き、輪島と3横綱が揃いました。

1974年:輪湖時代に突入!さらにVTR判定の導入も始まる!

輪湖時代の到来

輪湖の名勝負28番を紹介!

1974年5月に北の富士が引退し、輪島の一強時代が訪れるかと思われました。

しかし、そこで待ったをかけたのが、当時関脇だった北の湖。

初場所で優勝を成し遂げると、5月場所でも優勝し、輪島と優勝を分け合います。

輪島・北の湖という新たなライバル関係が生まれたことで、話題を集め二人の名前を取って「輪湖時代」と呼ばれる時代が始まりました。

疑惑の判定を受けてVTR判定が導入される!

疑惑の判定が導入のきっかけに

また、この年から他のスポーツに先駆けてVTR判定が導入されます。

1969年の大鵬の疑惑の判定があってから、相撲界も導入のために早々に動き始め、1974年に運用が開始されました。

きわどい判定の際は物言いがつき、VTRでのリプレーをもとに判定を審議することになり、力士も視聴者も納得できる公明正大な判定ができるようになったのです。

1975年:独立騒動を求め籠城!押尾川の乱が発生

輪湖時代の到来・VTR判定の導入など、明るい話題が続いた相撲界ですが、一つの事件が起こります。

74年に当時の二所ノ関親方の後継者問題が浮上。

当時大関をつとめていた大麒麟が九州場所を最後に引退して年寄名跡・押尾川を襲名し、二所ノ関部屋を継ぐとみられていました。
(部屋を継ぐために大麒麟は引退を早めたといわれています)

しかし、引退して大鵬部屋を興していた大鵬が継ぐべき、との声も上がり、後継者問題は紛糾。

押尾川と大鵬の後継者争いに割って入ったのは…

そのスキに、関脇の金剛が二所ノ関親方の次女と結婚したことで、実質上、金剛が二所ノ関親方になることが決まりました。

しかし、わざわざ引退を早めてまで部屋を継ぐつもりだった押尾川も黙ってはいません。

押尾川親方は内弟子16人を引き連れて、谷中の瑞輪寺に立てこもる事件に発展。

二所ノ関一門の親方同士の話し合いは平行線が続きますが、最終的に6人の内弟子を引き連れる形で分家独立することで決着。

その後、押尾川部屋からは益荒雄、騏乃嵐、恵那桜、若兎馬ら一流力士が輩出されたことから、結果としてこの独立は成功だったといえるでしょう。

なお、この時に移籍が認められず、プロレスに転向したのが天龍源一郎でした。

1978年:北の湖が5場所優勝で北の湖一強時代へ

1977年までは輪島と北の湖が覇権を分け合う輪湖時代が続きましたが、1978年に入ると、北の湖の全盛期に突入します。

この年は5場所で優勝するなど、角界を支配し、輪湖時代から北の湖の一強時代に。

他には三重ノ海・若乃花などの有力な横綱もいましたが、北の湖の勢いを止めるには至らず。

最終的に北の湖は23回の優勝を数え、歴代でも屈指の成績を残しました。

一方、ライバルの輪島も最終的に14回の優勝を達成し、名横綱として人々に記憶されています。

70年代を彩った力士たち

北の富士:10回の優勝を成し遂げ時代を作った横綱。NHK解説として有名。
玉の海:双葉山の再来といわれ「北玉時代」を期待されたが急死した天才横綱。
琴櫻:32歳の遅咲きで横綱に昇進。猛牛の異名を持つ迫力満点ののど輪が特技。
輪島:学生相撲出身で初の横綱昇進者。黄金の左と呼ばれる下手投げが必殺技
北の湖:史上最年少で横綱に昇進。「憎たらしいほど強い」と呼ばれ一時代を築く。
若乃花:華のある相撲で人気を集めたが、病気で横綱在位は5年と短かった。
三重ノ海:大関から一度陥落する苦境を経て横綱に上り詰めた苦労人。
貴乃花:若乃花の弟で「角界のプリンス」と呼ばれた人気大関。
高見山:当時は珍しいハワイ出身の力士。1972年に外国人力士として初優勝を飾った。

1970年代の優勝力士一覧はこちら

タイトルとURLをコピーしました